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トップフルーツトピックス就活生と職人さん「今ある材料(もの)を、大切に。今あることを、コツコツと。」就活生が感じ入った鈴木さんの想いとは…

就活生と職人さん
「今ある材料(もの)を、大切に。今あることを、コツコツと。」
就活生が感じ入った鈴木さんの想いとは…
くだものうつわ(上山市) 鈴木亮さん

はじめに

みなさん、こんにちは!
東北芸術工科大学 企画構想学科 3年片岡ゼミです。
現在私たちは、山形の若い世代の人達にもっと山形のフルーツの魅力を知ってほしい!という思いから、こちらのサイトとInstagramを活用して、「やまがたフルーツ150周年記念事業」のPR活動を行っています!

私たち片岡ゼミは、冒頭でも紹介した通り、現在大学三年生。
大学三年生というと就職活動が始まり、自分の将来や仕事選びに悩み、向き合う時期。そんな私たちだからこそ感じた“仕事”として、農業に携わる人々の想いを今回は綴っていきたいと思います。

くだものうつわ

取材

昨年11月下旬、上山市にある「くだものうつわ」さんへ取材に伺いました。くだものうつわ さんは、山形で採れるさくらんぼ、ラ・フランス、りんご、柿、などの果物の木を材料とした、うつわをはじめとする食器を手作りで制作されています。

「くだものうつわ」 鈴木亮さん

今回私たちがお話を伺ったのは、代表を務めている鈴木亮さん。

鈴木さんは山形県上山市のご出身。「くだものうつわ」の以前の工房は鈴木さんのお父様が経営する建具屋さんでしたが、お父様が木でお皿を作っている職人さんに出会ったことがきっかけで2010年にこの「くだものうつわ」が誕生しました。鈴木さんは当時神奈川県で別の職に就いていらっしゃいましたが、地元の山形に戻り、お父様の工房である「くだものうつわ」を2015年に受け継ぎました。

鈴木さん自身、過去にこのような工房などでの制作の経験はなく、この工房をお継ぎになられてから、うつわの制作技術を身につけたそうです。

鈴木亮さん インタビュー時の様子

「くだものうつわ」の材料

そもそもこの果物の木はどこから調達された物なのでしょうか。実はこの木は、生産の過程で切ったり、伐採した木のほか、農家を辞めてしまう人から直接譲り受けた木だそうです。種類は柿が多く、意外にも名産であるさくらんぼやラ・フランスは最近では入荷が少なくなってきているそうです。

このように当たり前に材料があるわけではなく、その木が調達できるタイミングや量が異なることから、なかなか安定して生産することが難しいと鈴木さんはおっしゃっていました。だからこそ材料は無駄にはせず、もし失敗しても他の作品に変更し商品化を行なっているとのこと。

このお話を聞いて、木を提供してくださる農家さんやうつわを制作する鈴木さんの思いをより感じられ、一つ一つのお皿の貴重さを一層実感することができました。

「くだものうつわ」の商品

上記でも記載したように、限られた材料の中で制作している「くだものうつわ」の商品は、一つひとつは全て手作業で制作されています。下の画像のように木の組み合わせも鈴木さんが考えています。また加工していく中で人工的な削り跡は残さないよう注意されており、元からある自然な模様をそのまま使用することを意識されているそうです。

このように「くだものうつわ」の商品は、木の色味や模様といった果物の木そのものの素材を最大限に活かした、鈴木さんの職人技が光る繊細な商品となっています。

また「くだものうつわ」定番の木の葉型のうつわの形は、この技術を教えてくださった先生からご提案いただいたものだそうです。今ではこの木の葉型が「くだものうつわ」のアイデンティティとなっています。

「くだものうつわ」のうつわ

お客様の声

主にこの「くだものうつわ」の商品は記念品や贈呈用に制作を依頼されることが多いそうです。コロナ前には、結婚式などの贈呈品に選ばれることもあったとのこと。

また家庭用にご購入された方の中では、一枚のうつわを、色褪せてしまうほど何年も大切に使用された方もいらっしゃいました。「くだものうつわ」では、そういったうつわを加工し、新品に近い状態まで修理することもできるそうです。

記念品として商品を飾るも良し、食器として利用し食卓に彩りを与えるも良し。

長い間、お客様に大切にしていただける、繊細な食器を「くだものうつわ」は提供しています。

就活生が得た学び

今回の取材を通して、今ある環境の中で物事を長く続けていくモチベーションの保ち方や一つ一つの仕事に対して真剣に取り組み、クオリティの高いものを提供する大切さを学びました。

工房をお継ぎになって15年、お客様のため、木を譲ってくださった方々のため、家族や従業員のため、そして自分自身のため、「くだものうつわ」に関わる全ての人が生きていけるよう、これまで工房を続けてこられました。そしてその方々のために、手作業を丁寧に行い、美しい商品を作り上げてきました。

こうしてクオリティの高いものを提供し続けるということは、最終的に自身の仕事に対するモチベーションにつながるのではないかと学ぶことができました。

自分自身がこのように真剣に取り組める仕事とはどのようなものなのか、何をモチベーションとするのか、今一度自分に問いかけ、考えたいと思いました。

インタビュー時の様子

最後に

取材にご協力いただいた、鈴木さんをはじめとした「くだものうつわ」の皆様、本当にありがとうございました。
なお、この「くだものうつわ」さんへの取材は、「やまがたフルーツ150周年記念事業」公式InstagramYAMAGATA_FRUITS150)でも掲載しております!
Instagramでは、工房の様子やうつわ制作の裏側をより詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください!!

最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事を通して、果物に関わるすべての方々の想いと山形のフルーツの魅力が少しでも伝われば幸いです。🍎

くだものうつわ

住所
山形県上山市金瓶字水上6-2
TEL
023-672-5861
URL
https://www.kudamonoutsuwa.com/

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